ゴルフを始めたばかりの初心者にとって、「90台で回る」というのは最初の大きな目標です。ただ、むやみに練習しても遠回りになることも多く、効率よくステップアップするには正しい考え方と練習の順序が不可欠です。
この記事では、初心者が“最短”でスコア90台に届くために必要な練習計画を段階ごとに解説します。
まずは“目標設定”を明確にする
90台とはどんなレベルか?達成の指標と目安
スコア90台とは、「ミスを最小限に抑え、堅実にプレーできた証」と言えます。平均するとパーオン率は30%以下でもOK。大切なのは、「OBを減らす」「ダブルボギーを抑える」「アプローチで寄せて2パット以内に収める」こと。パーをたくさん取る必要はなく、ボギーペース+数ホールのパーでも十分達成可能なレベルです。つまり、華やかなショットより、ミスの最小化と戦略的なプレーが90台のカギとなります。
自分の現状スコアを「見える化」する
上達への第一歩は、自分の現状を正しく把握することです。スコアカードを見直し、以下の点をチェックしてみましょう:
- OB・ペナルティの回数
- 3パットの回数
- パーオン率、ボギーオン率
- ダブルボギー以上のホール数
「どこでスコアを崩しているのか?」を数字で明確にすることで、課題が見え、練習の優先順位が決まるようになります。アプリや手書きメモでもOK。まずは、現実を直視することが“90切り練習計画”のスタートです。
スイングよりも“再現性のあるインパクト”を重視
打点とフェースの向きだけに集中した練習
初心者にとってスイングの“形”を気にするあまり、インパクトの重要性を見落としてしまうケースが多く見られます。しかし、スイング中で唯一ボールと接するのはインパクトの瞬間のみです。つまり、どんなに美しいスイングでも、打点やフェースの向きがずれていれば意味がありません。
まずはスイートスポットでボールをとらえる「ミート率」を意識した練習からスタートしましょう。打点チェックシールやフェースマーク付きのボールを使って、「芯に当てる」ことだけを繰り返し体に覚えさせることが、スコアアップの近道になります。
また、フェースの向きは方向性の鍵です。打ち出し方向のズレや曲がりの原因がここにあることを理解し、「フェースがどこを向いて当たったか」を感覚的に覚えることが、ミスの傾向を減らす第一歩になります。
毎回同じミスを出さないための“原因潰し”
初心者がなかなかスコアを縮められない原因のひとつが、「同じミスを繰り返してしまう」ことです。たとえば:
- ティーショットで毎回右プッシュ
- アイアンでトップばかり
- アプローチで距離感が合わない
といった“クセ”が出続ける場合、スイングそのものよりインパクト条件(打点・フェース角・軌道)に問題があることがほとんどです。
この解決法は「動画チェック」や「弾道測定」を活用した自己診断→仮説→修正→検証のループを習慣にすること。たとえば:
- 右プッシュが出る → インパクトでフェースが開いている?
- トップする → ボールの位置が合っていない?
- 引っかける → アウトサイドインの軌道?
このように原因を一つずつ潰していく意識があれば、闇雲な練習よりもはるかに短期間で上達が可能です。「ただ打つ」のではなく「ミスの理由を潰す」、これが90切りに向けた練習の本質です。
“使えるクラブ”を限定して徹底練習
ドライバー・7番・SW・パターで基本は十分
初心者が最短で90台を目指すためには、クラブすべてを完璧に使いこなそうとする必要はありません。むしろ、使用するクラブを“絞る”ことでスコアメイクの精度はグッと高まります。
おすすめは以下の4本:
- ドライバー:ティーショットの距離と方向を安定させる
- 7番アイアン:フェアウェイからの中距離ショットを一本化
- サンドウェッジ(SW):アプローチやバンカー、50ヤード以内のショットを網羅
- パター:スコアの40%を担う最重要クラブ
この4本だけでも100切りに必要なすべての状況に対応可能です。特に7番アイアンは、スイングの基準クラブとして活用しやすく、リズム作りにも最適。クラブが少ないことで迷いも減り、ミスを減らすことができます。
4本で回る想定でスコアメイクを覚える
初心者にありがちなのが、「どのクラブを使えばいいか迷う」こと。それによって、ショット前に不安が生まれ、結果にも影響します。だからこそ、最初は“4本だけで回る”つもりでコース戦略を組むことが大切です。
たとえば:
- ティーショットはドライバー、あるいは安全に7番で刻む
- セカンド〜サードはすべて7番で距離を刻む
- 50y以内はSWでアプローチ
- パターで寄せて・沈める
このようにシンプルな構成で回ることで、“考える余裕”がプレーの質を高め、判断力が磨かれます。後からクラブを増やすのは簡単です。まずはこの“絞り込み戦略”で、自分の得意ショットを身につけるのが90切りの王道ルートです。
アプローチ練習は「距離×高さ」で分ける
アプローチウェッジ1本で“高さと距離感”をコントロール
90切りを目指すうえで、30〜50ヤードのアプローチの精度はスコアメイクに直結します。おすすめなのは、アプローチウェッジ(ロフト48〜52度)を1本に絞って練習することです。
「高さ」と「距離」をコントロールする方法として、振り幅を基準にして距離を打ち分ける練習が効果的です。
振り幅の基準と“打ち分けのコツ”
たとえば、時計の針に例えて次のようにイメージしてください:
- 「7時〜5時」:キャリーでおおよそ20〜25ヤード
- 「9時〜3時」:キャリーで30〜35ヤード
- 「10時〜2時」:キャリーで40〜45ヤード
クラブを変えるのではなく、振り幅だけで距離を分ける意識を持つことで再現性が高まり、実戦でも迷いが少なくなります。
週1回の“ラウンド想定練習”で実戦力UP
1球1球にルーティンを入れて緊張感を再現
普段の練習から「本番を想定する意識」が不可欠です。特に週に1回は、“1球勝負”をテーマにした練習日を設けるのがおすすめ。
- 打つ前にターゲットを決める
- 素振りをし
- 呼吸を整えてから
- 1球だけを本気で打つ
この流れを“本番と同じ手順”で繰り返すことで、「練習場では打てるのに…」というギャップを減らせます。
自宅・屋内でも「ミスから学ぶ習慣」を
忙しくても、パターマットでの1球集中ストローク、スイング動画のセルフチェック、ゴルフノートでの振り返り記録など、自宅や屋内でできることはたくさんあります。大切なのは、“ただ打つ”のではなく、「なぜミスしたのか?どう修正するか?」という思考を習慣化することです。
まとめ
初心者が最短で90台を目指すためには、必要以上に“技術”を追い求めるのではなく、自分に必要なことを明確にし、それに応じた練習を地道に積み重ねることが鍵になります。
- 目標の見える化
- クラブを絞る
- インパクトの安定性を優先する
- アプローチとパターを磨く
この4つの柱を意識しながら、まずは「100切り」達成を一緒に目指しましょう!
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